古文書を読むために
判読練習問題-5
判読練習問題-5誤読例と雑感

吉治参候
「吉治」は、宛名の脇付のところにも登場し、「吉治との」と書かれています。よって、本文のところも同じく「吉治」だと判定したいところです。この点について熟考したところ、脇付で「吉治との」と敬称であるのに対し、本文では呼び捨てにするだろうか、という矛盾があるように思われ、且つ字形から推して「杏治」と判読しました。これが今回の誤読1字です。頭を捻らず、たゞ筆が走った丈けと捉えるべきでした。

吉治との
宛名の脇付のところの「吉治との」。本文の「吉」字と明らかに差があります。

明怪的本
翻刻の「怪」字は、どのように見ても「快」字なので、同音の「怪」字と誤植したのでしょう。
辛丑二月五日

因陽隱士
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