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多宮流の傳書

多宮流表目録
1705.寳永二年酉極月吉日
河合六郎重寛−小川猪右衛門
1732.享保17年4月
小川金左衛門嶢智−小川助太夫

多宮流印可口傳目録
1786.天明六年
篠原権五郎尚賢−生沼与三兵衛曹孝
掲載史料及び参考資料
『多宮流傳書』私蔵文書
『多宮流印可口傳目録』私蔵文書

多宮流表目録





 六釼之事

一 突寄
一 除身
一 引取
一 籠手結
一 迂颴
一 柵之刀

 大寄之太刀

一 花鳥
一 浮雲
一 水魚

 立相組十一用

一 射翔
一 
一 蛍火
一 縛刄
一 右極
一 飛鴈
一 時雨
一 紅葉
一 水柳
一 變龍
一 顧響

 浮橋之位

一 十六夜
一 干易
一 明鏡
一 順突
一 逆
一 鋂殺
一 蠖
一 飃撃

    河合六郎

寳永二年
 酉極月吉日 重寛(印)(判)


小川猪右衛門殿

右之巻物従先師致授畢
貴殿数年依不淺執心直ニ
其方江令相傳者也
   小川金左衛門
享保十七年
 子四月吉日 嶢智(印)(判)

 小川助太夫殿

多宮流印可口傳目録





 卯可口傳目録

 クウ
一空の目付
 是能目付也何方へも片よらす
 惣躰を見るを云併つよく
 見るは悪し目の内をすくと
 かろく見るべしおもく見る
 時はかたよりて不自由なり

 タニミネ
一谷峯の目付
 谷とは眉を云
 峯とは頭を云

  シンイネン
  心意念

一心とは胸にあり此心にて業
 をすれはかろく自由也

一意は胸と臍との間に有

一念は臍下に有此故に意念は
 強く重しさるに依て心にて
 業すへし心のカルキを知せん
 為にいふ

一心の鏡
 己か心を治め眼を明らかに
 するを云まなこにてのみ敵
 の情色ともに明らかに移る也
 是を心の鏡といふ也臆し
 たる氣又はとやせん角や
 せんと心感時は心の鏡曇り
 て見へさるもの也

一心眼氣
 心を手前に治め氣と眼とを
 敵に付へし去ともつよく
 氣を付強く見る事あしゝ
 つよけれはぬける事有惣て
 氣をつかふ所へ心をつかふは
 虚なりと心得へし心爰に
 不有の語を可思

一残氣
 世挙て残心といへり是誤り也
 子細は心は躰の主也氣は心の
 師也手前に主を慥に置師を使ふ
 もの也しかるに心をつかひ心を
 残す事心得かたし當流には
 心を主として氣を遣業をし
 たる跡にも氣を残し敵の
 又起る琴を待也是を残氣
 と云

 コキウ
一呼吸
 息合を聞て敵の様子をみる

一眼色
 眼色を見て敵の様子を伺ふ

一物音
 物音を聞て敵の様子知る

一景氣
 右同前

一付色
 表裏也打と見せてつくなとの類也

一間積座敷敵合の間をつもる
 を云目にて積るにてはなし
 心にて何程と可積也不断の心懸
 にもあり

一五之鞘
 鞘道五ツあり刄にてすりてぬき
 むねにてすりて抜又指表まての
 ひらにてすりて抜又指裏の
 ひらにてすりて抜此四ツのことく
 四方へさはらす中よりいつるにて
 五ツ也尤中より出るを吉とす
 是抜の至極なり

  高上大極意

一万事の拂
 柄をさけ切先高くさくりと
 ぬくを万事の拂と云此抜
 にていつれ太刀筋も留る也

右十六ヶ条當流居矢射之心持
極意秘傳之義共ニ御座候弥御
執行肝要事ニ而御座候仍如件

天明六年 篠原権五郎
       尚賢(印)(判)


 生沼与三兵衛殿
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