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『鞍馬流劒術名劒書:安政四巳年五月吉辰付』筆者蔵
2019.4.13 鞍馬流劒術の目録
これまで三回にわたって傳書の「序」を取り上げ,流儀の由緒を見てきました,
今回は「序」ではなく,「目録」を取り上げます,

この「目録」は通常の箇条書きにされた目録とは趣を異にし,鞍馬流の元祖 大野将監が記したるものを傳えたという由緒があり,鞍馬流草創期に会得した太刀の謂れが書かれています,

それでは読んでみましょう,
 
 

『鞍馬流劒術名劒書:安政四巳年五月吉辰付』部分 筆者蔵
先づ,語り手は大野将監です,
略述しますと,
古今剣術をもって門戸を立つ者は少なくない,自分は少年のころ鞍馬の一流を学んだ, 朝夕怠らず十年ほども学んだろうか,しかし奥旨には至らなかった, そこで必勝の理があるのか疑わしくなり,やゝ怠慢に打ち過ぎた, ところが、ある日剣をとって覚えず一声を発するや夢の醒める思いがして,平生の疑いは氷解した,そして必勝の理を会得した,
という流義の起りに始まります,
そして,後世 流儀の奥旨に至る者へ向けて,両刄の交わるや交わらざるやの心得を説き,
一転して「真明サ」という太刀の心得,次に「卍字」の大事を説きます,


ものゝ本によれば,大野将監が鞍馬流を開いたのは天正年中とされており,本傳書が書かれたのは安政四年, 天正年中という話がまことであれば,実に二百五十年ほども時代を経てなを流祖の教えを傳えていたわけです,

鞍馬流については,史料が乏しいため記述を補い得ず,これで筆を擱きます,
付け足して置きますと,この傳書を傳授したのは川窪勘解由という幕臣です,