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柳生心眼流の伝書

柳生心眼流柔術初段中段之巻
1869.明治二己巳年
後藤柳生齋藤原光武−宮谷徳兵衛

柳生心眼流目録巻
1869.明治二己巳年十一月
後藤柳生齋藤原光武−宮谷徳兵衛

柳生心眼流秘術巻
1869.明治二己巳年十一月
後藤喜三郎柳生齋藤原光武−宮谷徳兵衛
掲載史料及び参考資料
『柳生心眼流柔術初段中段之巻』私蔵文書
『柳生心眼流目録巻』私蔵文書
『柳生心眼流秘術巻』私蔵文書

柳生心眼流柔術初段中段之巻








(印)
 柳生心眼流柔術

  初段口傳

一 肩始裏手之傳
一 過定裏手之傳
一 両切裏手之傳
一 袖附裏手之傳
一 車かへし之傳
一 打込裏手之傳
一 左裏手之傳
一 右裏手之傳
一 襟取裏手之傳
一 抜打裏手之傳
一 柄留裏手之傳
一 鐺返裏手之傳
一 眼つふし之傳
一 青縄之傳
一 鉢巻之傳
一 大下緒之傳
一 小下緒之傳

(印)
右拾七ヶ條者當流執行
依功令相傳候猶朝暮
無油断被致候上追〃
可令皆傳候仍如件

    後藤柳生齋

     藤原光武(判)

明治二己巳年 (印)(印)


   宮谷徳兵衛殿


  歌

其道にいらんとおもふ
こゝろこそ我身なからも
師匠なるへし

  又

我を捨て
  人にものとひ
   ならひこそ
 のちは上手の
  もとひなるへし

上手にはすきと
  まことの功つむと
 此三ツそろふ
  人は勝るゝ


(印)
 柳生心眼流柔術

  中段口傳

一 絹迦之傳
一 霞返之傳
一 打込之傳
一 沈之傳
一 錣之傳
一 見歸之傳
一 大搦之傳
一 折取之傳
一 羽衣之傳

(印)
 棒術口傳

一 八天之傳

一 棒太刀仕合之傳

一 臑當之傳
一 鉄刀之傳

    以上十三ヶ条

(印)
 段取口傳

一 胸取投切
一 両切投切
一 袖附投切
一 打込投切
一 襟取投切
一 大搦投切
一 折取投切
一 二人取
一 三人取
一 四人取
一 五人取

    以上十一ヶ条

(印)
右之條々當流執行
依功令相傳候猶朝暮
無油断被致出精候上者
追〃可令皆傳候仍如件

    後藤柳生齋

     藤原光武(判)

明治二己巳年 (印)(印)


   宮谷徳兵衛殿

柳生心眼流目録巻













(印)
 柳生心眼流目録

諺語鍛練者平常之有
執行勝負者爲天性而
勝而不喜負而不患故
臨敵時者定心中而眼
配事第一也譬敵雖上
段中段下段與構足向
眼観眸子之位収心使
至得其利生之術以是
當流之爲意謹曰於守
護者勿躰無茂摩利支
天日天之御先拂惡魔
降伏退治仕給神力之
教也

(印)
 柔術居取表形

一 両手取
一 條朶折
一 左右臂手挫
一 虎勢
一 臂手碎
一 打込篭手伏
一 打込篭手返
一 両切
一 左右鬢取
一 冠返
一 龍飛

 同取手表形

一 左右篭手取
一 左右篭手返
一 左右肩襟〆
一 左右呼吸詰
一 左右矢筈〆
一 柄返
一 鐺返
一 抜打篭手返
一 同矢筈〆

(印)
 立合表形

一 肩衣
一 両被
一 袖突
一 打込
一 襟取
一 大搦
一 折取

 肩衣裏手

一 臂投
一 中段投切
一 踏違襟縊
一 組落シ
一 過定投切
一 相定襟〆
一 胸取當身
一 捨身踏違

 両切裏手

一 両手車
一 首投
一 臂返シ
一 両襟縊
一 鵯落シ
一 捨身蹴込

 袖附裏手

一 臂投
一 中段投切
一 中段襟〆
一 引落シ蹴込
一 右蹴込
一 沈之當
一 捨身當

 打込裏手

一 巻込襟〆
一 矢筈臂投
一 矢筈裸躰縊
一 矢筈之留
一 裏矢筈投切
一 左蹴込
一 霞之當
一 捨身當

 襟取裏手

一 巻込捨身
一 巻込蹴違
一 中段投切
一 袈裟〆
一 見歸襟〆
一 捨身踏違

 大搦裏手

一 臂投
一 負投當身

 折取裏手

一 踏違襟〆
一 首投
一 臂返シ
一 冠返シ
一 捨身襟〆

(印)
 棒術表形

一 合方
一 差合
一 肩迦
一 臑當
一 腰車
一 水引
一 引違
一 胴當
一 見歸
一 相打

(印)
 釼術表形

一 蹲踞
一 片隱
一 両隱
一 片車
一 片勢眼
一 両車
一 両勢眼

(印)
 居合表形

一 前釼霞留
一 同見歸霞留
一 一文字見歸留
一 一文字上段留
一 一文字霞留
一 前髪留
一 膝元見歸留
一 下座突霞留
一 同一文字見歸留
一 同左手留見歸
一 同右手留見歸
一 同前後留
一 同左右留
一 抜打霞留
一 横刀見歸
一 下座一文字
一 下座留
一 左右留
一 前後霞留
一 三人留
一 前後一文字
一 八方詰

 立合

一 一文字見歸留
一 同霞留
一 見歸一文字霞留
一 横刀見歸留
一 横一文字見歸留
一 一文字上段留
一 提刀見歸留
一 一文字霞留
一 提刀突見歸留
一 左見歸留
一 右留見歸留
一 大搦見歸霞留
一 提刀左右留
一 柄返一文字霞留
一 鐺返見歸留
一 大搦見歸留
一 下座一文字霞留
一 下座抜打霞留
一 下座留見歸
一 左右留
一 一文字死武者留
一 前後留
一 三人留
一 八方詰

(印)
 長刀表形

一 左右初段
一 左右中段
一 下段
一 入身車
一 左右指合車
一 打込車
一 打込霞留
一 上段車
一 左右霞切
一 左右大袈裟
一 左右掻込車
一 左右裏死武者
一 入身留
一 左右水車
一 左右霞車
一 早車
一 下段留
一 上段留
一 相打車
一 大袈裟留
一 大袈裟車

(印)
 柔術口傳

一 草摺傳
一 両切傳
一 袖突傳
一 打込傳
一 綴之傳
一 大搦傳
一 甲冑傳

(印)
 裏雛形口傳





(印)
 棒術口伝

一 八方傳
一 勢眼傳

 釼術口傳

一 小太刀傳
一 死武者傳
一 鎗入身傳
一 萬刀傳

   以上

 通計十三ヶ條


右者當流従岩本
大先生相傳之処猶又
嘉永五壬子年手段
相改目録之條々其元
依功執行令相傳候猶
被致出精候上者追而
可令皆傳候仍如件


       後藤柳生齋

明治二己巳年 藤原光武(判)
    十一月

         (印)(印)

   宮谷徳兵衛殿

柳生心眼流秘術巻












(印)
 柳生心眼流秘術之巻

夫氣方相傳之秘術者
教化別授全天地陰陽具
備萬物同根全靈之一理
而日月星辰三輝天地人
之三才不屬而歸一不動
之尊瑶感念以静爲本頗
兵器之重寳也如之死活
幽玄之秘術者於生涯一
掌遺戒然間石中之壁号
胎希代程術也嗚呼孰而深
爲掌懐焉千金勿得可秘 云々

 氣分謀畧口傳

一氣ハ心ノ僕ニシテ物毎ニ先達者機也
五臓六腑ニ氣ヲ満サラント欲時アウンノ
息ヲ詰テ意地ヲ含トキハ則躰氣充
者ナリ然ニ出息洩息ノコトヒク息ッハ
則陰也テル息ハ則陽也陰ノ息ヲ
胎内ニヒキツメルトキハ則五躰ニ氣ノ満
タルヲ陰ヨリ陽ヲ發表トイヱリ陰ノ
息ヲ胎内ニコメテ炭田ニ収メ臍下ノ心ト
一致スレハ天地陰陽合躰ト云者ニシテ
神宝ナリ是ヲ不動ノ尊躰ト云
ヱリ而后氣ノ充足ニ準シチカラノ
勝ルヲ意地ノ極意相傳トス丹田ノ
臍下ニ氣ヲ治メテ陰ノ息ノウチニ
陽ノ息ヲ萌シ五躰ヲイカニ動カセテモ
心氣臍下ニ在テ慢ニ動カサルコソ
本意ナリト云大略奥義如是云々

 古語曰

如猫提鼠頭尾一般成雙目不瞬

 又曰

古人曰進則迷理退則皆宗不進
不退則有氣如死人云

  しのあてめうもくのでん
 死之當銘目之傳

  てんどう
一 倒    人脈通ル處全ク心ノ
        臓ニ當リ死スナリ
  でんたく
一 田    涙根ノ患忽所シテ
        脾ノ臓ニ當ルナリ
  らいくわ
一 雷焱     心ノ臓腎ノ臓ノ通リ
        矢仝ツケねヲウツナリ
  あんや
一 闇夜    急死スル時活三時ヲ
        トヲル大事ノ當ナリ
  じゆけう
一 壽脇    腎ノ臓心ノ臓時ニ通ル
        處ナリ
  げうこう
一 形合    人躰ニ二ツ合タル者ナリ
        此當常ニシテ死スナリ
  くわんこ
一 關戸    日天インカウノ處活
        二十四時ナリ
  ちうかい
一 中    テル息ヒク息ノ萌ス處
        ニテ中關トモ云ナリ
  りういん
一 留飲    血骨ノ防取心ノ臓
        真中脉ノ當ナリ
  うんげつ
一 雲月    脾ノ臓肝ノ臓トモニ
        通是ヨリ下スベテ
  りんぎよく
一 輪玉    大股ノツケ根ニグリ玉
        有此當活ナシ可慎
  おんぜう
一 陰鐘    ホウカウノ腑玉入テ
        痛死ス活得別傳ナリ

   以上拾二當


  あてみひながたのめいうもく
 當身雛形之銘目



  くわつみやくのごくでん
 活脈之極傳

つつしんでいわくじんきやうといふしんぼう りやく
謹曰心鏡ト言心包洛ヲウテハ心氣
み くわつしやうずほんしんにかえるかるがゆへにしんみやくと
觀テ活生ス本心ニ歸故心脈ト
ごうすあをくべしゝゝ
号可仰云々

 口傳之事

  さそいのくわつ
一 誘意之活
  そうくわつのほう
一 惣活之法
  いんのう
一 陰嚢之活
  くびしめ
一 首縊之活
  みづおぼれ
一 水溺之活

   以上

みぎくわじよをほとこすものすなハちれいめいをたもつ まつたく
右施活助者則保齢命コレ全
てんちじひのぶじつ
天地慈悲之武術也

 秘字文之大事

なむこんごうりん
南無金剛輪
まりしてん
摩利支天ソワカ
なむにちりんぐわつりん
南無日輪月輪
みやうけんだいぼさつかいざい
妙見大菩薩皆在
じゆちうふたいしゆご
柔中不退守護
なむ ぐんじんらい
南無九万八千軍神来
りんゑいごうしゅご
臨影向守護

くにとこたちのながれくみわれ あくまきり
國常立之流汲我ニテ惡魔切
はらひめいけんとくてんつうちどうもゝ
拂明釼徳天通地道百々
秘通アヒラウン

   以上


右之條々其元當流
執心不浅年来不怠
執行之依功流儀之
意味得心之志珍重候
仍之先師之口傳無
相違令皆傳候自今
弥出精専一於可有
發明者向後執心之
仁有者見性之上
以血判を不論貴賤ニ
可有相傳尤未熟之
者不儀不宜仁江者
不可為免許仍如件

  元祖大先生
    柳生十兵衛
    小山左門
    松尾織右衛門
    前原源太左衛門
    岩本長左衛門
    後藤喜三郎
     柳生齋
明治二己巳年 藤原光武(判)
  十一月

         (印)(印)

  宮谷徳兵衛殿


   別傳

  かんつぶしやくすりのでん
 矢薬之傳

  しんせき
一 真石    生ヒソウ石ナリ
  まんだらげ
一 曼荼羅花  テウセンの
        アサハホのタね
  どくすみれのね
一 毒菫根   スモウトリグサ
        キツねハナトモ云
  ぶし
一 附子
  こしやう
一 胡枡    粉ニシテ
  てつふん
一 鉄粉    テツノ粉ナリ

みぎとうぶん あわ さいまつ
右等分ニ合シテヨク細末ニスルナリ
これ たけ つゝ よしのがみ つゝみ
是ヲ竹ノ筒ニ入ルカ又吉野紙ニ包
くわいちう いれおきこれ めんてい うち
懐中ニ入置是ヲ面躰ヱ打ツクル
とき たちまち そくし たゆる これとりかた
時ハ忽ニ速死シテ絶ナリ是取方ニ
もちゆ ようい ほう
用ル用意ノ法也

 右用意竹  上七寸五分
         下一寸五分

 右活法ニ用ル薬

一 土龍   ヲゴロモチノ
       クロヤキナリ

     きようにん しるにてのま
右ノクスリ杏仁ノ汁ニテ呑セバ
もと いきる しようが
元ノゴトク蘇生スルナリ又生姜
 か
モ可ナリ

 八重霞

  こしやう
一 胡枡        生
  いおう
一 硫磺        同
  きつねのかしら
一 狐頭 かわをさりて 霜
     みゝものけ
  むかで
一 百足        同
  いもり
一 守宮        同
  あをとかけ
一 青蝘        同

一 蟇 つめをさる   同

一 蜻蛉        同

一 藤 こぶ      同
  あさじゅ
一 麻木        同
  まむしのかしら
一 蝮頭        いきながらおさへて
            しりよりかたな目を
            つけいきおひ上みに
            あげてきる
 とうぶんさいまつ てつほう
右等分細末ニシテ鉄炮ノ
   うちかけ そのものき
筒ニコメテ打掛ル也其者氣
タユルナリ

    くわつほうみぎのとおりにすべし
   右活法右同断

右之條〃真田流
依為執心令口傳畢
假令親子為兄弟共
曽而他見他傳致
間敷仍免許如件
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