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雖井蛙流平法の傳書

雖井蛙流平法夢想秘極之巻
1706.宝永三亥年正月吉旦
白井源太夫正林−和田分蔵

白井源太夫、謙退にして毫も較することなく一意研究門下に教えて余念なし、とは石河正次(雖井蛙流・化顕流居合師範)に誹謗されたときの白井源太夫の対応である。 又、深尾角馬に就くや歳月浅きを以て聞く所多からずと雖も、富田流の素養特に深く技倆卓絶、一藩殆ど肩を比する者莫し、従学の徒頗る多く皆伝を受くる者十三人に及ぶ、雖井蛙流の平法、永く藩中に行はるゝは専ら白井の伝系に係れりと(『井蛙語海』)。
池田忠雄公(岡山藩二代)の時に仕え三十俵六人扶持を給わると伝えられており、元禄七年(1694)池田綱清公(鳥取藩二代)の時の組帳を確かめると乾對馬組に属し末席、三十俵六人扶持の侭である。 これは鳥取藩の職制に拠れば無足(或いは扶持人・御支配取)という身分にて士分ではあるが給人の下に位置した。(扶持四人以上、御支配三十俵以上は士分無足) 白井源太夫の門下隆盛であったことを思えば、新知を下されずに居たことはまことに不思議である。尤も白井源太夫が歿した享保三年九月、跡式を継いだ子 笹右衛門は池田吉泰公(鳥取藩四代)のとき近習納戸役・側役などを歴任し新知二百石を給わり、又、世子池田宗泰公の指南役に抜擢された。
掲載史料及び参考資料
『雖井蛙流平法夢想秘極之巻』個人蔵
『鳥取藩史』鳥取県編 鳥取県立鳥取図書館

雖井蛙流平法夢想秘極之巻


  【虫喰い】
  秘極之巻
一 無[手人]不可謾事
[一 術人可可恐事]
[一 捨疑心之事]
【虫喰い】
一 尺寸有寸有尺事
一 遅身早見之事
一 無拍子有拍子之事
一 頂剣自目壅之事
一 二佛中間之事
一 聚劒之事
一 筆引之事
一 千手観音之事
一 三拍子之事
一 要折之事
一 不識劒之事
一 夢想驪龍劒之事
一 星斬之事

右之條々愚予累[年]仰
武神信心因且暮運工
案蒙摩利支尊[天]瑞
験此書記畢雖爾作者
依短愚號雖井蛙平法
不執心之輩全不可相傳
者也千金莫傳秘々
      深尾角間
        重義
 延宝七己未歳
  十一月吉辰

     白井源太夫
宝永三亥年
 正月吉旦   正林(印)(判)


 和田分蔵殿
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