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香取流の傳書

香取流鑓會手續序之次第
1686.貞享三年極月十三日
山川十郎左衛門忠明−近藤惣三郎

山川十郎左衛門の名は『岡山藩家中諸士家譜五音寄』に見え、寛文九年六十歳、既に隠居の身ながら切米四拾俵四人扶持の禄を下され城代の格にあった。 尤も貞享三年の『香取流鑓會手續序之次第』を伝授した山川十郎左衛門とは年に隔たりがあることから、同人とは思われない。子或いは孫と考えるのが妥当であろう。
近藤惣三郎についても同様のことにて、近藤惣太夫の名が『岡山藩家中諸士家譜五音寄』に見え、寛文九年五十九歳、隠居の身で百石の知行を下され江戸御留守居御番、御検見御検地を勤めるなどしていた。 すなわち、近藤惣三郎もまた此の人の子或いは孫と考えられる。惣三郎の名乗りから察するに惣領ではなく庶子であろうか。 近藤惣三郎は延宝五年九月三日に同師から穴澤流長太刀の唯授一人をも相傳されている。但し香取流と穴澤流の師系は異なる。
掲載史料及び参考資料
『香取流鑓會手續序之次第』私蔵文書
『岡山藩家中諸士家譜五音寄』倉地克直編 岡山大学文学部

香取流鑓會手續序之次第







香取流鑓會手續序之次第
夫兵法者儒者道之根
元也故天真曰我胸秘剣
術汝深々感有懇志而
授此妙術宜能獲持者
也某頗透得兵法之上
案妙術豈如之哉仍
懸具足乎留徳是誠
進一歩則得自由殆
以一察萬以端知奥
有前忽然有後以爰
運籌於帷幄之中決
且於千里之候矣 夫於
天竺唐土我朝三國豈
是非儒者道之根元哉
上古之念流皆雖窮諸
源辨何待具足而無勇
如置一毫大虚 正与悉軍
機不跨両流以懸待表
裏二種之根元始改香
取流一人當千之肝
要萬死一生之兵術也
但奇特者有鍛錬所
謂百度稽古日鍛千
度稽古日錬唯神反
去有鍛錬以有鍛錬
為奇特似則似成是
事未是則教外別傳
之儀顕者也 呼々得憶
不切積不證妙言受上
古之流中古之念流是
亦輙不可廢従淺入深
雖厚薄穿甚非拏雲 
櫂霧岐亦不愚眼之
及處也雖然彼両流
待具足乎留之徳不可
勝斗此勝智非千人
之英萬人傑也無真
実之志努々不可傳
千金莫傳可秘々

一 上段鑓合
一 下段鑓合
一 越鑓
一 三鑓
一 三重手留
一 七重鑓
一 九重鑓
一 組鑓上下
一 刎込鑓
一 残鑓
一 玉飛
一 左構
一 合構之曲身
一 打鑓
一 横竪
一 一本鑓
  以上

天真正(印)
   飯篠長威入道
   香取修理佐
   香取内記
   香取隼人佐
   香取河内守
  号法名地蔵院宗帰
   香取和泉守藤原
   香取六進
   山川十郎左衛門

貞享三年
 極月十三日 忠明(判)(印)


  近藤惣三郎殿
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